お箸の置き方がわかる「はじめての箸置き」
自然とお箸の置き方がわかる箸置きを作りました。
「お山からお石をいただく。」
職人さんはそうおっしゃいます。香川県のお山からいただいた庵治石(あじいし)を、一つずつ手作業で削り出し、丁寧に磨いてなめらかに仕上げました。きめ細かな石目、濃淡豊かなまだら模様は、庵治石ならでは。山から生まれた箸置きで、日本の食事の所作が自然と身につきますように。
自然と置き方がわかるように
ゆるやかな角度をつけた「くぼみ」
右利きなら箸先が左を向くように。2本のお箸が、ピタッとそろうように。
そんな所作が自然に身につくように、まあるく削り出した庵治石に、ゆるやかな傾斜のある「くぼみ」を作りました。
くぼみに傾斜をつけ、またお箸1膳よりも少しだけ幅を持たせることで、自然と置き方がわかるように工夫しています。
箸先五分、長くて一寸
お箸の先、ちょうど口をつける部分が出るように、置いてみてください。
「箸先五分、長くて一寸」と言われているように、口をつけるのは、箸先の五分(約1.5cm)、長くても一寸(約3cm)が美しいとされています。
これは大人用のお箸の長さの場合なので、短いお箸の場合は箸置きから出る部分が3cmよりも短い方がバランスがいいと思います。
『はじめての箸置き』には、くぼみに傾斜をつけているので、箸先が箸置きから出すぎていると、お箸の頭がふわっと浮いてしまいます。
傾斜に沿わせるように置くことで、お箸をどれくらいまで口につけるのかも、自然と身につけていただけたら嬉しいです。
お山から、お石をいただく。
畑で育った野菜に、曲がったものもあれば、真っすぐなものもあるように、大きなお山から採れる庵治石(あじいし)にも、部分ごとに個性があります。 白っぽかったり、黒っぽかったり。端正な表情だったり、ハートに見える黒点が入っていたり。そんな個性豊かな石を、職人さんがぞれぞれの特徴を見極めながら選定し、加工していきます。
たとえば鉄分が多い石は、雨風にさらすと少しずつ酸化し変色するので、庭石に使うと季節の移ろいと共になじみ、自然にとけこんでくれる。一方、鉄分が少ない石は変色しにくいので、建物の外壁に使われたり、『はじめての箸置き』のような小物やアクセサリーに使われることもあります。
お山からいただいたお石は、職人さんの手仕事を通じて、毎日の暮らしになじんでいきます
「花崗岩のダイヤ」を一つひとつ
「花崗岩(かこうがん)のダイヤモンド」と呼ばれる、庵治石(あじいし)。きめ細かな石目と、濃淡豊かなまだら模様が特徴で、比較的新しい時代に、と言っても約8000万年前ではありますが、形成されてから時間が経っていない花崗岩なので、時間の経過による劣化が少なく、結晶の結合が緻密で、大理石よりも硬く、水晶と同じほどの硬度があります。そのため、加工をするには硬い石を0.1ミリ以下の精度で正確に加工する高い技術が必要ですが、カタチがくずれにくく、細かい細工に向いていると言われています。
ペンでこれから削る部分に印を書いていきます。「墨書き(すみがき)」と呼ばれる工程です。
機械でしるしをつけた部分を削っていきます。手で石を持って作業します。
削った後の表面はザラザラしています。
目の細かいものに持ち替えて、さらに磨いていきます。
さらに目の細かいものに持ち替えて磨いていきます。
砥石を使い、手作業でくぼみの部分を研ぎます。
200番の砥石と、次に使う400番の砥石です。数字が大きいほど、砥石の目は細かく、表面を滑らかにできます。
最後の仕上げは、400番の砥石で研いでいきます。
『香川県から 庵治石の 箸置き』の完成です。
『はじめてシリーズ』のお茶碗、汁椀、お箸、箸置き
「左がご飯、右がお味噌汁。真ん中におかずで、手前にお箸」「お茶碗は、高台を支えて…」など、日本の食事の所作が、自然と身につくように。そんな想いを込めて誕生したのが、『はじめてシリーズ』です。
最初は、お椀の持ち方も、お箸の持ち方も分からないかもしれないけれど、お父さんお母さんと食事をして真似をしながら、だんだんと上手くなりますように。
佐賀県から 有田焼の はじめてのお茶碗
小さな手でも、指を高台に添えられるほどの持ちやすい大きさになっています。
『はじめてシリーズ』のお茶碗はこちらから>>
福井県から 越前漆器の はじめての汁椀
「美しい所作でおいしく食べる日本の文化を毎日の食卓で伝えていきたい」。
そんな想いから、『はじめての汁椀』には、ふたをお付けしています。
『はじめてシリーズ』の汁椀はこちらから>>
石川県から 漆塗りの はじめてのお箸
転がりにくく、食べ物をつかみやすい、「八角形で寸胴なカタチ」になっています。
『はじめてシリーズ』のお箸はこちらから>>
香川県から 庵治石の はじめての箸置き
庵治石(あじいし)そのままの自然な風合いは、お茶碗の白に近い灰青色、汁椀やお箸の黒や茜にすっとなじんでくれます。